SUN YEH・バルブオートメーション
バルブを繰り返し作動させる場合、アクチュエータのトルクが十分であることは、選定条件の一部にすぎません。予定された動作を完了できるか、また各動作の間に十分な休止時間を確保できるかも確認する必要があります。
すべての90度回転電動アクチュエータに共通する「1時間当たりのサイクル数」はありません。実際の作動頻度は、選定した機種の作動時間、デューティ比、許容されるモータ始動回数、及び使用条件によって異なります。
当社が公開している OM-2 の計算例では、所定の条件下で 1回の動作が17秒、デューティ比が30% の場合、約 40秒の休止時間が必要となります。この例は作動時間と休止時間の関係を示すものであり、実際には一連の運転シーケンス全体が機種ごとの制限を満たしていなければなりません。計算式は当社のよくあるご質問をご参照ください。
SUN YEH は、バルブ自動化に必要な電動アクチュエータの条件確認をサポートしています。本記事では、作動頻度に関する仕様の読み方、休止時間の見積もり方、及び適切な機種について当社へご相談いただく際に必要な情報を解説します。
電動アクチュエータの作動頻度を左右する要因
90度回転電動アクチュエータは、90°の回転動作を行う角行程形の電動アクチュエータです。作動頻度は、実際に動作している時間、動作間の休止時間、モータ及び制御系の制限によって決まります。また、選定する仕様はバルブ負荷や設置環境にも適合している必要があります。
同じトルクを必要とする2台のバルブを例に考えてみます。一方は開いた後に数分間停止してから閉じ、もう一方は短い間隔で開閉を繰り返します。必要トルクが同程度でも、モータのデューティ条件は異なります。
このため、機種を比較する前に、運転シーケンス全体を明確にすることを推奨します。1日の総作動回数だけでは、短時間に動作が集中する厳しい運転条件を把握できない場合があります。
OMシリーズ 90度回転電動アクチュエータの仕様表には、所定の電源及びデューティ条件における作動時間が記載されています。公表値を用いて用途を検討する際は、必ずその適用条件もあわせて確認してください。
作動時間・始動回数・開閉サイクルの違い
運転条件を計算する前に、「1回の動作」が何を指すのかを定義する必要があります。モータの1回の始動、1回の開動作、及び完全な開閉1サイクルは、それぞれ異なる指標です。
| 用語 | 本記事での意味 | 実務上のポイント |
|---|---|---|
| 作動時間 | 90°回転など、所定の動作を完了するまでの時間 | その動作におけるモータ運転時間を示します |
| モータ始動 | モータが運転を開始する1回の動作 | 小さな位置補正でも始動回数が増える場合があります |
| 完全な開閉サイクル | 全閉から全開へ移動し、再び全閉へ戻る一連の動作 | 開動作と閉動作の両方を含みます |
| 休止時間 | アクチュエータのモータが停止している時間 | デューティ比の計算要素です |
開動作に続いて閉動作を行い、その途中で停止しない場合、完全な1開閉サイクルには通常2回のモータ始動が含まれます。いずれかの行程中に停止し、再始動すると、始動回数はさらに増えます。
したがって、比例制御バルブでは、完全な開閉サイクルを完了していなくても、多数の始動が発生することがあります。
条件をご提示いただく際は、それぞれの数値が何を表すのかを明記してください。たとえば「途中停止なしで1時間当たり10回の完全な開閉サイクル」は、「1時間当たり10回動作」よりも明確です。
デューティ比30%がバルブ操作に意味すること
デューティ比は、モータの作動時間が「作動時間と休止時間の合計」に占める割合です。
デューティ比(%)=作動時間 ÷(作動時間+休止時間)× 100
デューティ比30%とは、対象となる運転シーケンスのうち、作動時間が30%、休止時間が70%であることを意味します。バルブ開度が30%という意味ではありません。
また、1時間当たりの平均値が同じであれば、どのような運転パターンでも許容されるという意味でもありません。たとえば、30%を「18分間連続運転し、その後42分間休止できる」と自動的に解釈することはできません。機種ごとの連続運転制限と必要な休止パターンを確認する必要があります。
動作間に必要な休止時間の計算方法
所定のデューティ比に対応する休止時間は、次の式で計算できます。
休止時間=作動時間 ×(1-D)÷ D
ここで、D は小数で表したデューティ比です。30%の場合は0.30となります。
OM-2 の公開例では、110 VAC、60 Hz、ON/OFF制御、90°の1動作が17秒、デューティ比30%という条件を使用しています。
| 計算項目 | 数値 |
|---|---|
| 1回の動作 | 90° |
| 作動時間 | 17秒 |
| デューティ比 | 0.30 |
| 休止時間の計算 | 17 ×(1-0.30)÷ 0.30 |
| 30%のデューティ比から算出した休止時間 | 約39.7秒(約40秒) |
17秒は1回の90°動作を表し、完全な開閉1サイクルではありません。条件の詳細は、OM-2製品仕様及び当社のよくあるご質問をご確認ください。
運転シーケンス全体を評価する際は、開動作、閉動作前の休止、閉動作、次の開動作までの休止を順に記録してください。直ちに逆転する動作がある場合も評価に含めます。
ON/OFF制御と比例制御が作動頻度に与える影響
ON/OFF制御では、通常バルブを全開位置と全閉位置の間で動かします。比例制御では、バルブを中間位置に調整します。アクチュエータにかかる負荷は、実際の動作シーケンスによって異なります。
ON/OFFバルブは、まれにしか動作しない場合もあれば、プロセス中に繰り返し切り替わる場合もあります。比例制御バルブは、条件が安定しているときには長時間停止し、需要が変化すると頻繁に位置を補正することがあります。
| 運転パターン | 評価項目 |
|---|---|
| ときどき全開・全閉する | 作動時間と確保できる休止間隔 |
| 全開・全閉を繰り返す | 総作動時間、始動回数、最短休止時間 |
| 間欠的に位置を調整する | 部分動作の時間と頻度 |
| 小さな補正を頻繁に行う | 始動頻度、累積作動時間、制御動作 |
当社の CMシリーズ 90度回転電動アクチュエータは、標準でON/OFF制御に対応し、比例制御はオプションです。選定する仕様は、予定される運転パターンに適合している必要があります。
作動頻度を上げる前に確認すべき条件
作動頻度を上げる前に、バルブ負荷、アクチュエータ仕様、設置条件を総合的に確認してください。十分なトルクは条件の一部にすぎず、予定するシーケンスに適したデューティ条件と制御仕様も必要です。
| 確認項目 | 確認する情報 |
|---|---|
| バルブトルク | 使用圧力、流体、バルブ条件における必要値 |
| デューティ条件 | 作動/休止の要件及び連続運転制限 |
| モータ始動 | 選定仕様で許容される始動頻度 |
| 電源 | 使用する作動データに対応する電圧・周波数 |
| 周囲条件 | 周囲温度及びその他の設置条件が仕様範囲内か |
| 制御シーケンス | 全行程、部分調整、停止、方向転換 |
| ピーク運転 | 試運転やプロセス切替を含む最も厳しい時間帯 |
公表されていない制限については、他機種の値を流用せず、選定機種ごとに当社へご確認ください。
規格参考:ISO 22153:2020—工業用バルブの電動アクチュエータに関する一般要求事項。これは一般的な業界規格の参考情報であり、SUN YEH製品の認証を示すものでも、機種別の運転データに代わるものでもありません。
SUN YEHによる運転条件に合った機種選定のサポート
当社では、バルブデータ、制御要件、使用条件を確認し、適切なアクチュエータ仕様の検討をサポートします。90度回転製品には、次のシリーズがあります。
| 製品シリーズ | 公表トルク範囲 | 製品情報 |
|---|---|---|
| OMシリーズ 90度回転電動アクチュエータ | 35–4,500 Nm | OMシリーズ仕様 |
| CMシリーズ 90度回転電動アクチュエータ | 100–600 Nm | CMシリーズ仕様 |
これらの範囲は候補を絞り込むための目安です。最終的な適合性は、作動時間、制御方式、デューティ条件を含む機種及び仕様によって決まります。
ご相談の際は、以下の情報をご用意ください。
| 情報 | 内容 |
|---|---|
| バルブ | 種類、型式、入手可能なトルクデータ |
| 動作 | 必要な回転角度、開閉時間 |
| 運転スケジュール | 完全なサイクル、部分動作、最短休止時間、ピーク運転時間帯 |
| 電源 | 電圧、周波数 |
| 制御 | ON/OFFまたは比例制御、指令信号、フィードバック要件 |
| 設置 | 周囲温度、暴露条件、取付条件、設置スペース |
カスタマイズが必要なプロジェクトには、ODM/OEMサービスも提供しています。要件確認、実現可能性評価、設計・試作開発、サンプル試験を行い、各カスタマイズ案件の技術的な実現可能性を事前に評価します。
08|FAQ:90度回転電動アクチュエータの作動頻度
バルブを開いた状態で保持する時間は、アクチュエータの作動時間に含まれますか?
アクチュエータのモータが停止している場合、その保持時間はデューティ比の計算におけるモータ作動時間には含まれません。その後に位置補正動作があれば、その動作時間は含まれます。なお、モータが停止していても、制御回路、ヒータ、その他の電気部品に通電している場合があります。
作動速度が速いアクチュエータほど、1時間当たりのサイクル数を増やせますか?
必ずしもそうではありません。作動時間が短ければ1動作当たりのモータ運転時間は減りますが、アクチュエータには固有のデューティ条件、始動制限、負荷条件があります。これらを総合的に比較して判断する必要があります。
頻繁な小幅調整では、デューティ比の上限より先にモータ始動回数の上限に達することがありますか?
始動回数に制限がある場合、その可能性があります。多数の短い動作では、累積作動時間が比較的短くても始動回数が増えます。比例制御用途では、デューティ比だけでなく、始動回数に関する条件も確認してください。
制御シーケンスを変更した場合、アクチュエータを再評価する必要がありますか?
変更によって運転負荷が増える場合は、再評価が必要です。休止時間の短縮、位置補正の増加、開閉動作の追加は、バルブやアクチュエータ本体が同じでも要求条件を変える可能性があります。変更後のシーケンスを、選定仕様の制限と照合してください。
SUN YEHにご相談ください
バルブの頻繁な動作を計画している場合や、既存の運転スケジュールを変更する場合は、バルブ仕様、制御要件、タイミングシーケンスを当社にお知らせください。用途に適したアクチュエータ仕様を検討します。